国際弁護士はママとベビーに最愛を誓う~婚姻解消するはずが、旦那様の独占欲で囲われました~

二年前まで大学で文学を専攻していた。帰国子女であることと英文学を学んだ経験を生かし、紹介してもらった出版社で細々と翻訳の仕事を受けながら、週に三日、カフェでキッチンのアルバイトをしている。
就職せずにフリーの仕事とアルバイトを続けているのには理由があった。私には、小説家になりたいという夢があるのだ。
子どもの頃からの夢だった。昔から空想の世界が好きで、「夢見がち」と叱られることもあった。

文学も学んだし、私は頭の中にある世界をきっと文章で表現できる。そう信じて大学生の頃から作品を書いては公募に出し続けていたが、なにも引っかからなかった。
翻訳家として誰かの作品を読むたびに、私とはなにかが違っていると感じている。手が届かない高い壁が向き合う本との間に常にそびえ立っていた。

そろそろ潮時なのかもしれない。両親も定職に就かない私を心配しているし、私自身もこれ以上前向きにがんばる気力を失いつつある。
そんな自分を見つめ直すために生まれの地であるニューヨークへふらりと旅行に来てみたのだが、どうやら不発に終わりそうだ。

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