暗い暗い海の底
 そこで通話は途切れた。

 あの男と縁を切れるのであれば、金など惜しくない。

「お前。頑張ったな」
 キラキラ男が、私の頭を撫でた。それが、なぜか悔しいような気がした。

 その後、私は夫と離婚した。子供がいないのも幸いだった。もちろん、身体を繋げていないのだから、彼との間に子供が生まれるわけがない。

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