クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
ぶつかったその人が、私の腰を持って支えてくれて、その人が持ってた分厚い本が下に落ちた。

必然的に体が密着して、フワ、と甘い匂いが香る。




…わ

なんてキレイな瞳




「っ…、」


息がかかるほど超至近距離のその人が、目を見開いて驚いてる。




「…カベ君?」




は、としたカベ君が私の腰に回していた手を離して言った。


「…わー、びっくりした」


カベ君は後ろに下がりながら親指と中指を広げてメガネを直した。


「ごめん、本に集中してて…どっか打ってない?大丈夫?」


明らかに私の方が悪いのに…カベ君、相変わらず紳士だなぁ。


「全然大丈夫。悪いのは私だよ、ごめんなさい」

「全然。よかったよ、もしケガでもさせてたらチカに殴られるとこだった。」

カベ君はそう笑いながら本を拾った。
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