クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
◇仲直りの仕方
静かにさざめく川の波が、キラキラと輝いている。
鮮やかな緑のクローバーが生い茂る丘に眩しい太陽が降り注いで、
その上には相変わらず青い、青い、青い空。
そんな爽やかなロケーションと相反して私は、
人って
絶望すると涙が出なくなるんだな
そんなことをぼんやりと思った。
数時間前。
図書室でGod's mischief 2を読み終えた私たちは、呆然とした。
想像を絶するバッドエンドに、ただ呆然とするしかなかった。
部活に行かなきゃいけないカベ君に、心配そうに見送られて私は帰路に着いた。
…けど、まっすぐ帰る気になれなくて、結局学校裏の河原でひとり、ただ座ってる。
もう暑すぎない爽やかな風が、カラカラになった私の頬を掠めていく。
手の中のシャーペンからは、すっかり逢和君の気配が消えてしまった。
「…」
放課後の教室で、逃げようとして逢和君に手を引かれたのが、一回目。
宿泊研修で助けに来てくれて、抱きしめてくれたのが、二回目。
…次、触ってしまったら、三回目。
ふ、と乾いた笑いが漏れた。
諦めたくないって思った矢先、
こんな簡単に心折られちゃうなんて…バカみたいだ。
『神様』という、何を考えているのかもわからない、得体のしれない大きな何かを相手にしていることを改めて思い知らされた。
もう何も考えたくなくて
私は体育座りした膝の中に顔を埋めた。
「あ!おねえちゃーーーん!!」