クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「…!?お前、どこにそれ隠し持ってた!?」

「秘密でーす」

「おい、うちはスマホ持ち込み禁止だぞ…!わかってんのか!?停学処分だぞ!?」

先生が血相を変えて近海君のスマホを奪おうとするのを、軽い身のこなしでよけながら操作する。

すると、スマホはしばらく機械音を発してから喋り始めた。


“お前、腹立つ顔してるなぁ。木村。こんなのもできないなんてバカなんじゃないか?…”


「…!!」


教室に響き渡った自身の声に、先生が顔色を変えた。

近海君が音声を止めて、かたまって動けなくなった先生に向き直る。

「これ、教育委員会に提出します。」

「な…!?」

近海君はまっすぐな目で、まっすぐな声を投げた。





「バカなのは僕たちか、先生か…どっちなんですかね。」




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