クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
『座りたかったから。』

『寧々の、隣。』







私は横を向いて、少し見上げてみる。


…逢和君が隣にいたら

どんな感じだろう











「寧々」


幻聴が聞こえて、ビクッとする。


「おーい」

「!?」


あれ?幻聴じゃない?

声のした外の方に目を向ける。


「……あ」

「クシュン!」


ひとつくしゃみした逢和君が下からこちらを見上げた。

…天使の笑顔で。


「バイバイ。」


逢和君がそう言って手を振ってくれて、

私も大きく手を振る。

逢和君はそれを見て優しい目をすると、ポケットに手を入れて小走りで校門に向かっていった。
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