クールなあおくんに近づきたい!〜あと10センチ、きみに届け〜
「もー、ずるくない?姫と花乃いたら勝てるわけないじゃーん」

そう嘆くのはネットの向こう側にいる相手チームの女の子たち。

「ちょっとちょっと、うちの寧々のお荷物具合をなめてもらっちゃ困りますよ」

砂だらけのボロボロになる私をしたり顔で指さす花乃ちゃんと、黙り込む相手チームの女の子たち。

…おっしゃる通りで何も言えない。

「ここがビーチでよかったよ。普通のバレーボールだったらもう寧々、何回か死んでるよ」

「寧々の運動神経は歩きたての1歳児と変わらないからね。転ばずに走れただけで泣いて喜ぶレベル」

言いたい放題の二人に、さすがの私も眉間にしわを寄せる。

「それは言い過ぎだよ!いくら私でも普通に走ることぐらいできるよ、ほら!」

疑いの目を向けるみんなに負けじといいところを見せようと、シュタタッと走ってみせる。


「「あっ」」


ゴンッ!


「「ッ寧々---!!!!」」


ネットの支柱に思い切りぶつかった私は、鼻血を出してビーチに突っ伏した。
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