優しい彼の正体は×××だった
ー聖夜の過去ー
俺は物心着いた時から施設にいた
親の顔も知らない
気になったことも無かった
小学二年生の頃に俺の親だと名乗る夫婦が施設に現れた
施設長は喜んで「出会えて良かったね」と言葉をかけたが俺は胸騒ぎを覚えたがそんな感覚が何か分からないからそのままにした
夫婦の家に着き普通に綺麗で荒れてるとかゴミが散らかってるとかそんなんじゃない。
普通に過ごせるんだとワクワクしてる俺も居た
だがココに来て俺の中の何かが壊れ始めた
しばらくして、一日一日俺の体に新しい痛々しい傷が増えた
サンドバッグがほしくて俺を出迎えたのかと幼い俺ですら分かった
小学五年になって俺はボロボロな身体を引きずりながら逃げるように家から出た
もう限界だと唸ってる身体を無視して見つからない何処か遠くへと逃げるため必死に足を動かした