春色の恋−カナコ−[完]
初恋
外へ出るとまだまだ明るくて。

携帯を取り出し、そういえば今日は朝から一度も携帯をチェックしていなかったと思いだした。

携帯を開くとメール受信3件の表示が。

「3件も届いてるし」

マナーモードで鞄の奥に入れっぱなしにしていてまったく気がつかなかった。

というか、緊張して携帯の存在すら思い出さなかった。

受信しているメールを開くと、ひとつはおにいちゃんからで。

今朝はおにいちゃんの方が出勤時間が早くて話もできなかったんだった。

いつもは朝早く起きて一緒にジョギングをしていたんだけど、今朝は緊張してそんな余裕もなくて。

初日の私を心配するないようで、相変わらずやさしいおにいちゃん。

『無事に終了!いい人ばかりでした。カナコ』

きっと今日も残業で帰りは遅いだろうから、とりあえず返信しておく。

今夜寝る前に帰ってきたら話を聞いてもらおう。

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