春色の恋−カナコ−[完]
「カナコ?お帰り」

玄関でもたもたしていたら、リビングがらおにいちゃんが迎えに来てくれて。

「た、ただいま!」

あわててお風呂場へ駈け込み、鏡の中の自分の顔を見る。

うわー、本当に真っ赤だし!

絶対におにいちゃんにもばれてるよね、顔が赤いの。

河合さんとこうした時間を過ごすのも初めてじゃないのに、なんだかドキドキが止まらない。

「カナコ?気分が悪いの?」

扉の向こうから、心配そうなお兄ちゃんの声が聞こえてきて。

「だ、大丈夫!顔洗ったら行くね!」

あわてて水を出し、そのまま顔を洗った。

しばらくしてリビングへ行くと、お茶を飲みながらソファに座っているお兄ちゃんがいて。

「どうだった?」

私を見て、首をかしげながら聞いてくるおにいちゃんだったけど。

一瞬、何を聞かれたのかわからなくて、挙動不審になってしまう。

そんな私を見て、笑いをこらえながら「出社初日どうだった?」と再び聞かれて。

あ、会社ね、会社ですね!
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