架空女子でごめんね

第2話 本当の私


家の中に入ると、ひばりがヒョコッと顔を出した。



「おかえりー」

「……ただいま」

「ん?お姉ちゃん、元気ない?」



そんなことないよ、と言おうとして、出来なかった。

ぽろぽろとこぼれていく涙の粒。



「ど、どうしたの!?」



慌てるひばり。



「とりあえず部屋に行こう?」



そう言って、ひばりの部屋に連れて行ってくれた。





久しぶりの妹の部屋。

本棚にびっしりと収納されている小説。

窓辺には、ひばりが大好きな多肉植物の寄せ植えの鉢がいくつか並んでいる。

天井からぶら下がる宇宙船のモビール。



いつ来ても、ひばりの部屋は落ち着く。



「何か、飲み物を持ってくるね」



ひばりは一旦部屋を出て行った。



私はその間に、サイドテーブルに置かれたティッシュケースから1枚、ティッシュペーパーを引き出して、目に当てた。





< 82 / 132 >

この作品をシェア

pagetop