神様、この恋をよろしくお願いします。
「もうすぐ2時間目始まるよ?」

もう悠の行動パターンは知っていたから。
1時間目が終わった放課、いつもの体育館裏までこそっと覗きに来た。

「………、お前かよ」

案の定寝ていた悠が薄目を開いてあたしの顔を確認した。またすぐに目を閉じたけど。

「遅刻だよー、学校に来ても教室にいなかったら遅刻なんだからね」

「…それが何?」

「理由のない遅刻はいけないんだよ」

悠が言うようにここはあったかかった。

眠たくなる気持ちもわかる。

目を閉じたまま起きようとしない悠の隣に音を立てないように座った。
閉まったドアに続く3段くらいしかない階段の、一番上の段に。


…悠の寝顔、可愛い。


やばい、そんなことまで考えちゃってる。


キーンコーンカーンコーン…

体育館裏にもチャイムは響く。

今2時間目が始まった。

のそのそと悠が起き上がった。

パチッとあたしと目が合って、2回瞬きをした。

「お前、何してんの!?」

「何って、悠こそいつまで寝てんの?」

「授業始まってるぞ!」

「悠に言われたくないよ、1時間目から来てないじゃん」

「俺はいいんだよ」

「ずるい!自分だけ!」

ふわっとあくびをして、重そうなまぶたを嫌々に上げていた。

「あたし初めて授業サボったかも!なんか不良みたいじゃない!?」

「じゃあ今すぐ教室行けよ」

「悠が行くなら行くよ」

「……。」

あたしがにこっと笑うと悠が嫌そうにタメ息を付いた。それはなんかだか腑に落ちない。

「俺と関わってもロクなことないぞ」

あたしも最初はそう思ってたんだけど。

でももう遅いよ。

関わりたいって思っちゃったんだもん。

そう思ったら、自分から会いに来ちゃったんだから。
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