神様、この恋をよろしくお願いします。
「…別にいじめられてねぇけど」

そんなの嘘!って思ったけど、それを言ったのがまさかの悠本人だった。

「え?」

だからあたしも間の抜けた変な声が出ちゃって。

「なー、だから嫌なんだよー学校で話しかけるのー」

はぁーあ、と大きく息を吐いたリーダー的先輩がまた頭を掻いた。

全然言ってることがわからないんだけど…

「俺らガラ悪いからしょーがねぇんじゃね?」

「いや、あいつだって悪いからな」

「より強くさせるから」

3人でなんか喋ってる。

何なの?どーゆう状況なの?

一応、抱きしめたままチラッと先輩たちの方を見てみた。

「最近全然来ねぇって弟がうるさいからちょっと話してやるよーって言ってただけだから」

……弟?

ってまた知らない話出て来たんだけど。

「あ、ちなみにその金髪と俺幼なじみだから」

幼なじみ…?

それはどっかで聞いた…


“俺と悠、幼なじみなんだ”


「委員長のお兄ちゃん!?」

え、このチャラチャラしたルールちっとも守らなそうな人が!?

あのスーパー優秀模範生徒のお兄ちゃんなの!?

全ッ然結び付かない…!

「今ぜってぇ失礼な想像されたと思う」

「し、してませんっ!!!」

もしかして、委員長は全部わかってたんじゃないの?

だから何もしなくていいって言ったんじゃないの?

知ってたんだよ…!

あれはそーゆう意味だったんだ!!

「まぁいいや、俺が言わなくても“そーゆう奴”いるなら」

そう言うとくるっと背中を向けて、右手を上げヒラヒラと振った。

「じゃあな、金髪!またな!」

そのあとを2人の先輩もついていく。

屋上にはあたしと悠だけ取り残された。
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