神様、この恋をよろしくお願いします。
Wish5.雨と神様
次の日、悠は教室に来なかった。

委員長の号令で朝の会が始まる。

「あれ?今日相沢くんいないの?ここずっとちゃんと来てたのになぁ」

いっちゃんが眉をハの字にして悠の席を見た。

悠が来ないことは久しぶりで、前は考えられなかったことだけど悠が窓際の席に座ってるのに見慣れてしまっていたから。

空いた席が気になって、じーっと見つめることしかできなかった。


今日何してるのかな?

なんで来ないの?

昨日、あんな話したから?



“別れるか”



予想してない過ぎる言葉を聞くと人って頭の中が真っ白になっちゃうんだね。

何も言えなかった。

あたしが何も言わないから、悠も何も言わなかった。

そこからのアイスの味だって覚えてない。



“別れるか”



付き合ってたんだね、あたしたち。

じゃあよかったよね、少しの間でも好きな人と付き合えてたなんて夢みたいなことじゃん。浮かれてたんだよね。

浮かれてたのがよくなかったのかな。



“別れるか”



付き合おうなんて言ってくれなかったのに、なんで別れようは言ったの?

永遠と繰り返されるその言葉が頭にこびりついて離れない。

やっぱ神様なんていないよね、あんなの迷信だもん。

それでも願いたかったんだけどな、願ってでも叶えたかったんだけど。
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