夫の一番にはなれない



來はわたしよりも2歳年上。

この時は少し弱腰なところが見られて、てっきり年上だとは思わなかったことを覚えている。


「その……あれから、“彼”から連絡来てますか?」

「“彼”?元カレのことですよね?本人からはさすがに来ませんね。本人の友人からはたまに連絡来ますよ」


きっと自分からは連絡がしづらいから、友人に頼んでいるのだろうけれど……

わたしのことを気にかけているという建前で、わたしに彼氏ができたかどうかを確認しているのだと思う。

別れてすぐに彼氏なんてできるわけがないのに。


「やっぱりそうなんですね。実は俺のところにも、彼女の友人からよく連絡が最近来るんです」

「え?あなたのところにも?」

「はい、そうなんです」


きっと送られてくる内容は、わたしと同じなんだろう。

同じ境遇に立たされたもの同士、彼の心情を考えるととても複雑だった。


「実は、彼女早く結婚したがっているようで。連絡が毎日のようにくるんです」

「それは嫌ですよね。わたしのところはさすがに毎日はこないですけど」


それでも彼の友人の名前がスマホの画面に映るたびに、憂鬱になる。

それを毎日体験しているかと思うと、頭がおかしくなりそうだ。



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