夫の一番にはなれない



この日の昼休みに、どういうわけか話がトントン拍子に進んでいき、プチ会議を開くことになったのだ。


「ごめんね、みんな。集まってもらっちゃって」

「いや、もとはと言えば、俺のクラスの問題だから」


ここに参加しているのは、わたしと來、早川先生、早苗さん、それから早苗さんが呼んだ2組の男子2名だ。



昼休みが始まって間もなく、早苗さんがお昼を持って保健室にやってきたのだ。

教室の居心地が悪いと、早苗さんはよくこうして保健室にお弁当を持ってやってくる。

さすがに病人の生徒がいるときは遠慮してもらうけれど、基本的には保健室の隅にある机で食べている。


「ねえ、早苗さん。2組の酒井さんのことなんだけど」

「酒井っち?あー、最近学校休んでるもんね」

「どうして休んでいるのか聞いてる?」

「今年は違うクラスだから、あんまり話さないんだよねー。でも、ライン知ってるから連絡は取れるよ」

「そうしたら、さりげなく聞いてもらってもいい?」

「まかせて!でも、酒井っちって自分のことなかなか話してくれないからなあ。同じクラスの人に聞いてみるか」




< 22 / 70 >

この作品をシェア

pagetop