身ごもり婚約破棄したはずが、パパになった敏腕副社長に溺愛されました

「そうか。都の気持ちいい部分にちゃんと触れられてるんだな」


 そっと手を除けられ、満足げに微笑む彼が映った。恥ずかしすぎてどうにかなりそう。


「身体が覚えているのかも。どうすれば君を悦ばせてあげられるのか」


 彼はそう言って、私の秘密の場所を開く。熱く滾る彼がゆっくりと中に侵入してきて、待ち望んだ甘く痺れる感覚に淫らな声がこぼれた。

 奥まで深く繋がって、嘉月さんは扇情的な視線で私を捉えて問いかける。


「こうされるのも嬉しい?」
「んっ、ぅん……一番、嬉しい」


 身体も心も彼で一杯になり、ようやく得られた幸福感に浸りながら頷いた。

 彼は「すごく安心する。君の中」と吐息交じりに囁き、悦に入ったような表情をする。身体が覚えているというのは本当なのかもしれない。

 指を絡ませ、ベッドに蜜が滴るくらい、絶え間なく与えられる刺激を夢中で受け止める。


「都……君が、愛しくてたまらない」


 荒い呼吸と共に漏れるのは、嘉月さんの心からの声だとわかる。この極上の甘さに満たされる感覚を、また味わえるなんて。


「私も、ずっと、愛してる──」


 途切れ途切れにそう伝えた直後、ひと際大きな快感の波が迫ってきてもう抗えなかった。

 彼の腕に抱かれて、私も思い出した。女として愛される幸せを。


< 180 / 276 >

この作品をシェア

pagetop