兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
駅の階段を登り、ホームに立つと、線路の向こう側に蓮人が立っている。

他愛もない話をして、お互いの電車がホームに入ると、私たちはいつも同じ合図を贈り合う。

蓮人はポケットからミサンガを、私はカフスの入っているポーチをひらひらと振り、笑顔で別れる。

それは私が恐れていた離れる、別れ、とは全く違っていて、むしろ幸せな時間になった。


きっと蓮人も同じ気持ちだったのだろうと私はわかる。
私たちは双子。

想いも感情も同じ。
ほんの少しの寂しさも、同じ思いを抱える心強さも、分かち合えている。
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