兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
「一つなんて選べない・・・だって全部・・・全部ほしい。失いたくない・・・」
そっと自分のお腹に手をあてる。
「だって・・・大好きよりも、もっともっと大切な人も・・・大切な人との命も・・・ずっとずっとほしかった・・・。ほしくてほしくてたまらなかった。」
涙でいっぱいの視線を蓮人に向ける。

「あの夜・・・私・・・すっごい幸せだった・・・。」
震える声で言い終えると、蓮人は顔をくしゃっとゆがめて、私に顔を近付けた。
そのまま、想いをぶつけるように口づけてくる。

お互いの感情が唇から伝わってくる。

あふれ出す想いも、こらえきれない想いも。

愛おしさも。

長く長い口づけで私たちは想いをぶつけあった。
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