兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
何度も何度も携帯電話が鳴っては蓮人が私の状態を心配して、メールや電話をかけてくる蓮人だった。

あまり心配をかけないように最低限で答えながら、一日をほとんどベッドの上で過ごす。

少しでも気分をすっきりとさせようとシャワーを浴びようとして、服を脱ぐ途中で力つきたり、携帯電話の画面すら見れないくらいの気持ち悪さ。

ふとベッドの上で天井を見ながら、考える。

写真の中でしか見たことの無かった、私の本当の両親。
どんな人だったのか話を聞きたくても、もう聞けない。

私が生まれる時、本当の両親はどんな状態だったのだろうか。

自分のお腹に宿った命を考えながら、同じようにこんなにつらい思いをして乗り越えて、この世に産みだしてくれたのだろうかと考えると、温かな気持ちになれる。
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