兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
入院するときはだいたい食欲がわかない私。
食欲が戻り、熱が下がらないと、肝機能の状態が改善したとは言えない。

だからこそ、両親も蓮人も私の好物を毎日病室にもってきては食べさせようとしてくれていた。

「プリンだ!」
「おう。母さんも夜食べたいって言ってたからその分も。」
「ありがとう」
私がベッドから立ち上がり、冷蔵庫に入れようとすると蓮人が気づいてすぐに私の肩にカーディガンをかけてくれる。

「散歩するか?」
「うん」
さすがに一人で病院の中を散歩してもつまらない。
途中で具合が悪くなることもある私は蓮人や両親が病院に来てくれている時間に病院の中を散歩するのが楽しみだった。
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