だめんずばんざい
「一応フォローしておくと…薫のこと以外を見ると…母さんは完璧とも言える主婦なんですよ。几帳面で完璧主義なのかもしれない。冷凍食品を一切使わない弁当を毎日4人分作っていましたからね。ばあちゃん…話に出てきたばあちゃんの介護も短期間だったけど手を抜くことなくやりきったと思います」
「なるほどね。カオルちゃんが言ってたよ、両親は基本的に仲がいいんだって」
「そうですね。お互いに大切にしていると思います。だから僕たちはこれからも距離感を間違えないようにやっていきます」
「しっかりしてるよ、奏太くん。自慢の弟と言える」
「ありがとう、寛人さん」
「さあ、カオルちゃんを迎えに行こうかな」
4人で店を出て、カオルちゃんたちのいるカフェラウンジを目指す。もうすっかり表情筋がほぐれていたらいいんだけれど…
そう思いながら到着したカフェで、カオルちゃんは大きな目をクルクル動かしながらばあちゃんたちの話を聞いているようだ。
「盛り上がってるようだな」
「邪魔だって言われるかもよ?」
父さんと寛人の言う通りだと思った時、カオルちゃんが俺たちに気づいて大きく手を振った。
「最高に可愛いよね、カオルちゃん」