だめんずばんざい
付き合った!






「お互いが好きってことで…俺は舞い上がってもいいの、カオルちゃん?」
「好きになってるとは思うけど、ちょっといろいろ急展開で…舞い上がるのは待って…とりあえず腹ペコなの、私」

ガクトは‘俺も’と言いながら私の手を取り

「裏の創作和食か、この並びに広島風お好み焼きがあるね。あとは駅前の居酒屋…カオルちゃん、何が食べたい?」
「お好み焼き…すっごく久しぶりに食べたい」
「いっぱい食べて。今日は俺がご馳走するよ」

くるっと向きを変えて歩き始める。

「ねぇ、ガクト」
「うん?」
「ガクトはお金に困っているのではないよね?」
「うーん、そうだね」
「家を探している間だけうちにいるの?部屋はちゃんと探しているの?」
「うん。聞きたいことがあるっていうのは、それ?」
「…ガクトはこのままうちに住むつもりなのか…それとも部屋が見つかるまでの宿なのか…何もわからない。好きとか付き合うって言っても…どの距離感から始めたらいいのかがわからない」
「カオルちゃんの言う通りだ。今ここで話す?食べながら話す?」

彼は店の看板の手前で足を止めて私を優しく見下ろした。



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