だめんずばんざい






結局ゴロゴロと土曜日は終わり、日曜日は二人で手を繋いでぷらぷらとライブラリーカフェまで行った。

平日は私の帰る前にガクトが帰りドアの前に座っていたことが一度あって、それから彼も鍵を持っている。

「ダイニングバー、明日金曜日だから行こうかな…面倒かな…」
「無視しておけばいいんじゃない?」
「うーん、そんな居心地の悪い感じなら他に行こうかと思ったり…迷ってる」
「明日俺遅くなるから一緒に行けなくて残念」
「そう。そんなこともあるよ」

これまで、ガクトが遅くなることも外で夕食を済ませてくることも一度もなかった。その方が不自然だと思うくらいだ。

「この前断ったから、お兄ちゃんたちを誘ってみようかな」

私がスマホを手に兄弟に‘明日夕食行ける?’とだけ送ると

「仲いいんだね」
「うん、二人とも基本的には私にかまいたい人。弟も弟だと思ってないんじゃないかな…」
「兄だと思ってるってこと?」
「そう、それか同い年。甘やかそうとしてくる」
「カオルちゃんが可愛いから分かるなぁ」

木曜日の夕食後ゴロゴロしながらガクトは続けた。

「俺もカオルちゃんを甘やかしたいなぁ…」

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