だめんずばんざい





「俺…五百旗頭岳人です。この…白井薫子…はぁ…大好きなんだけど…カオルちゃん、本当に大好き」

ガクトは改まって名乗ったかと思うと、すぐにいつもの調子で私の頭や頬に触れ

「ずっと一緒にいて欲しいんだ…俺と結婚してくれる?」
「けけっ…?」
「結婚」
「…私?」
「そう、カオルちゃん」
「あの…私…この通り…こんな時間までパジャマで平気な人なんです」
「問題ある?」
「…若様と言われる人を跨いで歩く人でもあります…」
「誰かに迷惑かける?」
「…ガクトの周りは言うでしょ…」
「人前で跨いでるんじゃないし、パジャマで部屋を出るわけじゃないし誰が何を言うの?」

と可愛く小首を傾げて見せる。

「結婚は嫌?それとも、五百旗頭が嫌?」
「どちらも嫌っていうほどわからない。でもガクトは好き…私が嫌って言えばどうなるの?」
「結婚しないけどパートナーとして一緒にいる。家のことなら、俺が五百旗頭を出て白井岳人になるだけで、問題ないよ。嫌なことは嫌と言って大丈夫だよ、カオルちゃん」
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