だめんずばんざい






「処分する物の方が多いんです」
「持って出る物はまとめられますか?岳人のスーツケースといくつか段ボールを持って来ましたが」
「欲しいです。車ですよね?取りに行きます」
「私がすぐに。処分する物は、お任せしてもらえるなら業者を入れて一掃させていただいて、部屋の鍵の返却まで責任持って私がやりますがいかがでしょうか?」

やっと落ち着いたガクトを見ると

「業者が嫌なら俺がやるよ?どっちでもいい。カオルちゃんは面倒だろ?」
「ガクトも面倒だよね?」
「自分の物なら迷わず業者。カオルちゃんの使った物は別」
「…いい風にも聞こえて、変態ちっくにも聞こえるのは日頃の行いだね、ガクト…悪く思わないで」

…ぶっ…今度はそーさんが吹き出した。

「日頃の行い…変態行為…ウケる…」
「やっぱり2号でいいかも…」
「ごめん、ごめん、すみません、カオルさん…どうされますか?」
「業者さん、お願いします」
「俺、カオルちゃんにフラれた気分」
「面倒くさっ」

私は続けて荷物をまとめようとハンガーから服を外し始めると

「カオルちゃん、カオルちゃん。外さないでそのまま運ぼうよ。そのまま大きな箱に入れてすぐに運べばシワにならないだろ?」
「ガクト、仕事は?」
「半休。もしかしたら週末少しするかも…でも今日はもういい。運ぶよ」

こうしてガクトとそーさんが手伝ってくれたのであっという間に荷物は出せた。

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