そしてきみは朗々と未来を語った(詩集)

雨傘

「雨傘」



傘にばたばたと雨が弾ける音がうるさくて
きみの声はよく聞こえなかったんだけど
きみが耳を真っ赤にして
わたしを見下ろしているから
きっとわたしが一番欲しかった言葉かもしれない
でも返事しようにも
傘にばたばたと雨が弾けるから
ただ黙って、シャツの袖をくいと引いた



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