ドーナツの穴になりたかったの(詩集)
ドーナツの穴になりたかったの

さよなら、

「さよなら、」



「やり残したことがあるから平成に残るよ」
彼の申し出に私は頷き
静かにドアを開ける
平成に生まれ
平成に出会い
平成を共に過ごした私たちだから
一緒に外に出ることはできないみたいだ
だから私は一人で
外の空気を吸い始める



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