極彩色の絵画みたいな(詩集)

きみのことだよ

「きみのことだよ」



どす黒い雲が降りてきて
夕焼け空を覆い隠していく夜のはじめ
辛うじて残った明るい空には
頼りにするには心許ないくらい細い月しかなくって
あの禍々しい雲には近付きたくない
けど、
目的地はあの雲の方で
暗い方を目指してアクセルを踏むしかない
とき、
何を考えていたか、……、
きみのことだよ



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