極彩色の絵画みたいな(詩集)

わたしの下唇は

「わたしの下唇は」



わたしの下唇はいつも荒れていて、それを見る度きみは「リップ塗ったら?」と呆れた顔をして、ついには安くてよく見るリップクリームを買って来てくれたけれど。きみは知らないの。わたしの下唇が荒れている理由を。きみとあの子が一緒にいるのを見かける度、その悔しさを、唇を噛んだ痛みで紛らしているんだよ。








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