極彩色の絵画みたいな(詩集)

待っている

「待っている」



夜になるといつも、小さな蛙が台所の窓に張り付いて、白いお腹をこちらに向けている。毎日、毎日。わたしはそれをぼんやり眺めながら、お皿を洗う。ねえ、きみもひとりぼっちなの?それとも誰かを待っているの?わたしはずっと待っているの。毎日、毎日。あの人からの連絡を。「少し話す?」の一言を。



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