極彩色の絵画みたいな(詩集)

好き

「好き」



呟いた言葉は
夜の匂いに溶け
闇に塗りつぶされたかのように
形を失くして見えなくなった
そのせいで
あのひとの耳にも届かなかったみたいだ
あのひとは振り返ることもなく
恐ろしいほど深い夜の黒に
すっと同化していった

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