たとえこの世界から君が消えても
「あれ、蓮どこ行くの?昼飯食わねぇの?」


「ちょっと行きたいとこあって。先食ってて」



不思議そうにしている愛翔を置いて、俺はある場所へと向かった。


目的の場所は、生徒が入らないように立ち入り禁止のテープが入口に貼られていた。


そのテープをくぐり、図書室の扉をゆっくりと開ける。



ぶわっと強い風が顔面に吹きつけてきて、驚いて思わず目を閉じる。


どうやら真っ正面にある開け放たれていた窓からの風のようだ。



中に入り、ふとなんとも言えない違和感に襲われる。


一週間前に来た図書室と、今俺がいる図書室は何かが違う気がした。


ふと、見覚えのないカレンダーが壁にかかっていることに気づく。



「…え?」



カレンダーの西暦を見て、息を呑む。


俺の目がおかしくなっていなければ、このカレンダーは二十二年前の物だ。


どうしてこんなに昔のカレンダーがかけられているんだ?
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