たとえこの世界から君が消えても
「れ、蓮ー!おまえ…っ!やっと学校来たのかー!」



教室に入るなり、一番に俺の登校に気づいた愛翔が勢いよく抱きついてきた。



「…暑苦しい」


「おまえ俺のメール全部無視してたくせに、なんだよぉ!来るなら来るって言えよぉ!俺、おまえが来んのずっと待ってたんだからな!」


「悪い、返す気力なくて。待っててくれてありがとな」



愛翔は涙目になりながら間抜けな顔で目を丸くした。



「…なんか、素直?」


「これからはちゃんと素直に気持ち伝えようって決めたんだよ」


「うおおお!俺は感動だ!あの冷血な蓮が、素直だなんて…!うわああ!」


「うるせぇよ」



やっぱり素直になるのは少し気恥ずかしい。


だけど、自分の気持ちを素直に言えないまま、もう後悔したくないから。


これから少しずつ変わっていくんだ。
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