恋なんて、正気の沙汰じゃない!



朦朧とする意識の中、最後に見た景色は教室で……





「っっ、……」


少しの頭痛と共に目が覚めた。


ハッキリと焦点が合わない為か、ここが教室ではないと理解するのに数秒かかる。


むしろ、見知らぬ部屋。


……どこ?


身体を動かそうとしても、言う事を聞いてくれない。


やっとの事で、少し足が動いたと思ったら、


ジャラッ……


鈍い金属音と、右足首に違和感。


視線を自分の足に移せば、その違和感の正体が分かった。


「…な、に…これ……」


それに触れれば、幻ではなくて、本物で…


右足首には、足枷と鎖で繋がれていた。


「あ、起きた?」


不意に聞こえた声。


この声……知ってる。


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