キミとオジサン
「クリスマス、嫌いだったけど
なんかいい思い出できた」


私を抱きしめたまま
オジサンが言った


「オジサン…好き…

オジサン…大好き…」


オジサンの胸に言った


「あのさ…
こーゆーの久しぶりだから…
心臓もたないんだけど…

ちょっと、離れて…」


「ヤダ…」


せっかく
オジサンが好きになってくれたのに…


オジサンの胸の音
聞こえる


「じゃあ、顔あげて…」


「…ん?」


ゆっくり顔を上げた

オジサンの顔がすぐ近くにあった


「すげー泣いてんじゃん
ちゃんとオレの目、見えてた?

好きだよ
キミのこと
ホントに好きになったから…

ちゃんと聞こえた?」


まだオジサンの顔が滲んで見える


「うん」


ーーー


唇に温かい感触があった


「なに?キミ、今少し笑ったでしょ」


「うん…
だって…思ってた通りのキスだったから…」


私を好きになってくれたオジサンのキスを
何度か想像してた


私を好きじゃないオジサンのキスは
冷たいキスだろうな…って
オジサンに拒まれた時思った


今日のキスは温かくて
優しくて

想像してたとおりの
誰も傷つけないキスだった


オジサン
ホントに好きになってくれた


今日を待ってた
ありがとう

< 75 / 93 >

この作品をシェア

pagetop