経理部の女王様が落ちた先には
右隣に座るこの人の熱を少し感じながら、チラリと店内を見回す。
テーブル席も、ソファー席まで空いている店内。
カウンター席も勿論空いているのに、この人は間を開けることなく、わたしのすぐ右隣に座った。




不思議に思いながらも、わたしはまた数字に向き合う。
それでも、なかなか向き合えない数字に、わたしはシャーペンで数字にトントンと音を鳴らす。




そんなことを繰り返していたら・・・





「可愛いね。」




と、急に右隣の男の人が、言ってきて・・・




ソーッとその人を見ると・・・




さっきの鋭さはなくなり、深くて優しい目をしていた。




「可愛いね、シャーペン。」




と、楽しそうに笑いながらわたしのシャーペンを指差す。
自分が持つシャーペンに、わたしも視線を移す。
ピンク色のシャーペンには、可愛いウサギの絵が沢山書いてある。




「ウサギ、好きなの?」




そう言われて、恥ずかしくなって少し俯く。





「・・・ウサギ限定ではなく、可愛い物が好きで・・・。」





小さな声で振り絞ったわたしに、その人はまた楽しそうな声で笑った。
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