経理部の女王様が落ちた先には
「じゃあ、頑張って。」



「はい、ありがとうございます。」



夏の税理士の科目試験、その数日前と当日、全てに会社の夏休みを合わせた。
今日は、夏休み直前最後の日。




最後の今日、喫茶店に来てくれたこの人と、閉店になった喫茶店の前に並んで立つ。




「本当に、ありがとうございました。」




わたしは、深く、お辞儀をした。




そして、ゆっくりと頭を上げた・・・





その瞬間・・・





わたしの腕を少し強引に引いたと思ったら・・・





この人の胸の中に・・・





そして・・・





優しく、優しく、唇を重ねられた・・・。






「お礼、先にもらっておく。」






そう言って笑ったこの人からは、少しだけ香るタバコの匂いがした・・・。
< 84 / 213 >

この作品をシェア

pagetop