経理部の女王様が落ちた先には
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いつもの喫茶店、いつもと同じカウンター席。
そこに、コーヒーと軽食を置く。
勉強道具を鞄から出そうとした時・・・
スマホが震えた。



届いたメールを確認した時・・・




「ここ、いい?」




と、ちゃんと断ってくるこの人の声が聞こえ、わたしはいつも笑ってしまう。




「はい!」




いつものように右隣に座るこの人を見上げ答えた後、またスマホのメールを確認する。




「なんの連絡?」



「内定の連絡貰えました!」



「内定・・・?」



「はい、転職しようと思っています。」




そう言って、この人を見る。




無造作に乱れた髪の毛・・・


ワイシャツのボタンを数個開けた、少しはだけた胸・・・


その目は、いくつもの死闘をくぐり抜けた戦士かのような・・・


そんな、深くて、鋭い、目をしている。


その目の深さ、鋭さは、月日が流れるにつれて、もっと深く、鋭くなった・・・。


でも、この端正で気品のある顔立ちが、戦士というより、やっぱり騎士のようだと錯覚させる・・・。


そして・・・


やっぱり、ビジネスマンの象徴であるネクタイが、ない姿・・・。


わたしの右隣に座るこの人は、今でも、鎧を脱いだ、戦いを終えた騎士のよう・・・。




そんな騎士が、無言になり・・・




ジッと、わたしの隣に座っている・・・。
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