俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
「あ、ああ」

「香田社長、ありがとうございます」

 すかさず暁もお礼を言う。芹にお願いされたら断れないだろう香田社長を一瞬で見抜いた暁は、やはり経営者としてやり手なのだろう。

「チッ」と小さく芹に聞こえないように舌打ちをしている香田社長の姿を駿はしっかり見逃さず苦笑いするのだった。

 『コンコン』

 そこへ、社長室の扉がノックされた。

「はい」

「失礼します」

 入ってきたのは、新城堂の開発担当者の峰と名取だった。

「「香田社長」」

 二人は香田社長の姿に声を上げ驚いている。

「どうした?」

「あっ、完成しました。修正できました」

「「本当か!?」」

「はい」

「香田社長!!」

「ああ、急いで製造に入る」

「源ちゃんありがとう」

「「げ、げ、源ちゃん!?」」

 芹と香田社長を交互に見てから、峰と名取は説明を求めて駿を見る。

「成宮さんと香田社長は、お知り合いだったんです」

「……」

「源ちゃんなんて呼ぶほど親しい友人なんですね……」

 名取は芹と暁の関係まで知っているが、峰は芹のことすら知らず、ポカンとしてしまう。

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