俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 ちょうど準備が出来た頃、今から会社を出るからエントランスで待っていてほしいと連絡が入った。

 暁達は、マンションには寄らず空港に向かう。

 今朝すでに荷物は車に積み込まれている。

 芹がエントランスで待っていると、高級車が入ってきた。後部座席のドアを暁が中から開けてくれる。

「お疲れ様です」

 駿と運転手さんに向かって挨拶した。

「お疲れ様です」

「成宮さんお待たせしました」

「芹、早く乗って」

 プロポーズをして婚約者となったが、やきもちを焼いてしまう。芹に関しては、一生余裕のないままなのかもしれない。

 空港に向かう車の中も、暁はずっと芹の手を握っている。

 運転手は、未だに今までの暁との落差に戸惑う。芹に出会うまでは、駿が暁に一方的にスケジュールや仕事内容を伝えている感じだった。

 今では、車の乗降の際に挨拶されたり、自分でドアを開けたりと、経営者としてだけではなく、人としても尊敬できる変化だ。
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