俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
《side 芹》

 社長室を出てやっと解放されたと、安堵のため息が漏れる。

「成宮さん」

「あっ、はい」解放感からすっかり稗田さんの存在を忘れていた。

「お聞きしてもよろしいですか?」

「??なんでしょう?私にお答え出来る事でしたら……」

「あなたは、暁のことをどう思っているのでしょう?」

「うちの社の社長様?」

 社長も私の中では要注意人物だが、稗田さんは曲者だと思う。SPのイメージだったが、秘書としてもかなりの切れ者なのが伝わってくる。

「それだけですか?」

「それ以外は……」

「正直な気持ちを教えていただけませんか?」

「クビになったりしません?」

 クビにはならないとわかってはいるが、警戒していることをアピールしてみた。

「えっ?クビを心配する程の内容に興味があります。もちろん、本音を言ったからと言って何もありませんからご安心を」

「じゃあ遠慮なく。イケメン俺様腹黒御曹司社長ですね」

「………。ブハッ、す、すみません。ヤバイ、成宮さん面白すぎます」お腹を抱えて笑っている。



 
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