俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
《side 芹》

「芹はコーヒーは飲めるか?」

「えっ?は、はあ」

「ソファーに座ってろ。コーヒーでも淹れてやる」

「ええっ?」

「何を驚いてる。それくらい普段からしている」

 外国製だろう立派なコーヒーマシーンが、これまた立派なキッチンに鎮座している。

「ありがとうございます」

 社長に淹れてもらうのは気が引けるが、難しそうなマシーンを前に役に立てそうにない。

 ソファーに座り待っていると手持ち無沙汰になり、スマホを取り出した。暁から連れ出されて全く見れてなかったスマホには、たくさんの通知が来ている。そのひとつひとつをチェックする。

 芹奈としてのSNSのアカウントには、突然イベント会場からいなくなった芹奈への心配の声がたくさん寄せられている。

 まずは、そちらに謝罪の言葉を打ち込む。芹奈に会いに来てくれた人達に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。まさか、昨日の今日で新城社長が現れるとは予想もしていなかった。

 遠くからわざわざ会いに来てくれた人達には申し訳ない。

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