俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜
 警察署を出て緊張から解放されるが、まだまだ問題が山積みだ。

 一先ず、芹自身に危害が加わらなくて良かった。芹がマンションに入るまで見守っていたから未然に防げた。もしあの時、先に車を出していたらと思うと、今更ながらに恐怖を感じる。

「芹、疲れただろう?大丈夫か?」

「うん……」返事をしながらも、顔色が悪い。

「先に車に乗っててくれるか?電話をしたいから」

「うん」

 心ここにあらずな返事をして、芹は素直に助手席に乗り込んだ。

 暁は、そんな芹の姿を車外から見守りながらあるところに連絡をした。

「はい。どうした?もう振られたか?」

「はあ?お前失礼だな。それどころじゃないんだ」

 暁の言葉を聞き、何かを察した駿が電話の向こうで既に動き出している音が響いている。

「で?何があった」

「実は……」

 駿とマンションの下で別れてから、今警察署を出たところまでを詳しく説明した。

「で?成宮さんは?」

「ああ。かなり参っていると思う」

「だろうな」

「とにかくうちに連れて帰るから客室の準備を頼みたい。あとこんな状況で俺と二人だと無理しそうだから、お前もうちに居てくれ」
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