星と月のセレナーデ
舞台袖から一歩、また一歩
ずっしりとした服の重みを感じながら
先程上から眺めてた景色が目の前に広がる
お爺ちゃんが奏でるお囃子に乗せて踊る
少しだけ目線をお爺ちゃんの方へ向ければ
私を見てくれていたのかバチリと視線が交わる
お互いにニコリとすれば
なぜか緊張が解けて
賑わう人々を見回すことができる
楽しそうにヨーヨー釣りをする子供
手を繋ぎながらわたあめを食べるカップル
花火を見上げる老夫婦
そして私をただただ見つめる傷だらけの男の人