咲き誇れ、麗しい華。
第2章

ようこそ、秘密の部屋へ

──キーンコーンカーンコーン……。



静寂に包まれた保健室に、始業時間を告げるチャイムが鳴り響いた。

時計を見ると、教室を飛び出して十数分が経っていた。


どうしよう、戻らなきゃ。でも、こんなぐちゃぐちゃな顔で戻れないよ……っ。



──ガラガラガラッ。



ヒックヒックと肩を揺らしていると、ドアの開く音がした。


この音は……廊下側のドアだ。

もうホームルーム始まっちゃったけど、誰か休みに来たのかな。


泣いていることがバレないよう、口に手を当てる。



「あの……大丈夫ですか?」



つい先ほどの冷たくトゲトゲしい声とは正反対な、温かみのある優しい声。

その声とセリフには、聞き覚えがあった。



「っ、あ……」
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