私の嘘と彼女の真実
和史が言葉を詰まらせる。
もしかして考えていなかったんだろうかと季実枝は疑った。

「それに友子以外で勃つかどうか試したいっていうなら、風俗行け、風俗」

それならギリギリセーフではなかろうか。
それに風俗を友子が浮気だと判断し彼らがどうなろうと、季実枝と彼女とのあいだの友情にはなんの問題もない。
いやむしろ、これほどまでに友子へ不満を抱いているのなら、これで離婚になればそれはそれでいいのではないだろうか。

「風俗は、さ……」

なぜか和史が言い淀む。

「……これは、演技なんだろうなって思った途端、萎えた……」

ふっと小さく笑い、和史が眼鏡の奥で悲しそうに目を伏せる。
それはあまりにも哀れだが、反対におかしくなってきた。

「もう重傷だね、それ……!」

「……笑うなよ」

季実枝が笑いだし、和史は不満そうだ。

「ごめん、ごめん。
でもこれはもう、諦めるしかないと思うけど?」

「……ヤダよ」

完全に和史はふて腐れている。
季実枝も笑いが止まり、目尻に溜まった涙を拭った。

「でも、風俗ダメなら詰んでるじゃん」

「だから、季実枝に頼んでるんだろ」

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