消えた未来の片隅で
「バレッタ?」
白いパールが並んであるだけのシンプルなデザインだけど私の目に輝きを与えるには充分だった。
何よりこの白は先生を思い出させる。
「貸して」
バレッタが私の手をすり抜けていく。
「えっ...」

「髪伸びたな」
そう言って胸の辺りまである私の髪を持ち上げる。
耳元の髪に触れてそのまま左耳にかけた。
全神経が左耳に集中して世界が傾きそうだ。
「はい」
耳上に手をやると自然と指先はパールを辿って行った。
すぐさま鏡を手にして確認してみる。
「綺麗...」
「無くすなよ」
「無くさないよ!」

「ありがとう。先生」
嬉しくて何度も鏡を見返した。

これ、先生がくれたんだ。

ひんやりと触れるバレッタが温まっていくのを感じた。
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