スクールアイドル防衛隊〜通行人A子と弱虫王子〜
「どうしたんだよ、いきなり。」

「オレの(こえ)()こえてなかったみたいだし。」と花菱(はなびし)先輩(せんぱい)はムッとしたように()う。

 あ、えっと。

 どう説明(せつめい)すればいいのかな。

 (あか)(いと)(はなし)は・・・(しん)じてくれないだろうし。

強烈(きようれつ)な、視線(しせん)(かん)じて・・・。」

「オレへのものじゃない? いつものことだよ。もう()れたけど・・・。」

 花菱(はなびし)先輩(せんぱい)(あき)めたように(わら)う。

 (あらた)めて()われるとなんだか・・・意外(いがい)だなって(おも)っちゃう。

 あ、視線(しせん)花菱(はなびし)先輩(せんぱい)()ているものってことじゃなくて、そのことを花菱(はなびし)先輩(せんぱい)()ったことね。

 そういうこと()うタイプの(ひと)じゃないと(おも)ってた。
 
 だってなんだか・・・、いや、完全(かんぜん)正解(せいかい)なんだけど、自信持ちすぎな人(ナルシスト)っぽく()こえない?

「あ、でも、もしかしてその視線(しせん)、ストーカーのだったり・・・。」

「ストーカー?」

 (あたら)しい(こえ)(くわ)わった。

「ミヤさん?」

 オレンジ(いろ)のポニーテールを()らすのは(まぎ)れもなくミヤさんだ。

「やっほー、えいこりん、みっくん! あとえいこりんはミヤって()()てでいーからね! それで、ストーカーってなんの(はなし)?」

 なんでここに? 

 って、ご(はん)()べに()てた以外(いがい)()いよね。

「あー・・・。」

 花菱(はなびし)先輩(せんぱい)()かれちゃまずかったような(かお)をしている。

 けれど、覚悟(かくご)()めたような(かお)になって、ミヤさん・・・ミヤに()(なお)った。

「それが・・・オレ、(いま)ストーカーにあってるみたいで。」

「ええ!? ・・・いつから?」

 ミヤは(おどろ)いたような(こえ)()げてから、一気(いつき)小声(こごえ)になって()いかけてくる。

「1ヶ月(かげつ)くらい(まえ)からだったかな。」

「えええ、なんで風紀委員(ふうきいいん)相談(そうだん)してくんなかったのさ。」

 花菱(はなびし)先輩(せんぱい)は「あんまり大事(おおごと)にしたくなかったんだ。」と()()せる。

風紀委員(ふうきいいん)(べつ)に、絶対(ぜつたい)学校(がつこう)(つた)えるとかそんなのはないから。それで、そのことについてえいこりんに相談(そうだん)してたの?」

「ああ、うん。いろいろあって。」

 そうですね、いろいろあったなぁ。

 あのときの「()()ってくれませんか。」は本当(ほんとう)(おどろ)いた。

 その(あと)、まさかストーカー事件(じけん)(かか)わることになるなんて、一切(いつさい)(かんが)えていなかったもの。

「へえ、いろいろねえ。ちょっと()になるけど()かないでおく!」

 それは(たす)かる。

 だって告白(こくはく)からのストーカー調査(ちようさ)なんて、どう説明(せつめい)すれば()いかもわからないし()ずかしいじゃない?

「それならさ、みっくんもえいこりんも風紀委員(ふうきいいん)においでよ。ストーカーの捜査(そうさ)人手(ひとで)いるでしょ?」

 ミヤは突然(とつぜん)事件(じけん)にワクワクしてきた! って(かん)じの(かお)()いてくる。

 人手(ひとで)()しいけどまた風紀委員(ふうきいいん)()くのかぁ・・・。

 ちょっと()まずそう。

「わかった。」

 花菱(はなびし)先輩(せんぱい)はそう()ってから(うなず)く。

 うーん。

「えいこりんは?」

「・・・()くよ。」

 花菱(はなびし)先輩(せんぱい)()くなら(わたし)()くしかない。

 うん、と(うなず)いた。

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