憎んでも恋しくて……あなたと二度目の恋に落ちました


「だいぶ形になってきたね」

最初はどうなるかと思っていたが、ここまでは順調に進んでいると森医師は言う。

「庭の一部を駐車スペースにして、サンルームを出入り口にしたのが正解でした」

由美は祖父が好きだった庭を一部とはいえ壊すから迷ったが、サンルームを含めて大きく改修することにしてよかったと思っている。

「家の中が明るい雰囲気になって、美也子様も喜んでおられます。とっても楽しみにしていらっしゃるんですよ」

五月は祖母の美也子もデイサービスに賛成していることを話してくれた。

「予定通り来春スタートでいけそうだな」
「木下君、搬入する器具のチェックを頼んだよ」
「おまかせください、森先生」

和気あいあいと話し合っていたら、午後四時近くになってきた。

「さ、みなさん疲れたでしょう。お茶のおかわりを入れますね」

五月がひと息入れようと立ち上がってキッチンに向かった。

「あ、手伝います」

由美も立ち上がったところでテーブルの上に置いていたスマートフォンが鳴った。


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